天体観測室

天体観測室

東京では、汚れた空気を街の灯が照らし出し、夜空全体が明るくなってしまいました。 このため、星雲など暗い天体の観測が難しくなってきましたが、一方、月や惑星などは街の中でも充分観測することができます。 このような環境下で性能を発揮できるように、当博物館の望遠鏡は暗い天体の観測よりも、都会でも見ることのできる月や惑星、 明るい天体などをより鮮明に観測することに主眼をおいています。

天体望遠鏡

当館の天体観測室に設置されている、ニコン製の25cm屈折クーデ式天体望遠鏡。現在のところ同形式では日本最大の口径を誇ります。 都会でも見ることのできる月や惑星、明るい天体などをより鮮明に観測することに主眼をおき、 像が安定し、コントラストに優れた屈折式を採用しました。
さらにレンズには色収差が極めて少ないED(特殊低分散)ガラスを使用。 レンズの焦点距離も、設計に無理がなく惑星観測に適した、長めの3000mm(F12)としました。

観測が楽なクーデ式

当館の天体望遠鏡の最大の特徴は、クーデ式を採用していることです。 クーデ式とは、接眼部が、鏡筒ではなく架台についているタイプの望遠鏡。 対物レンズで集められた光は、2枚の平面鏡によって反射され、架台南側の接眼部に導かれます。
大きな望遠鏡で一番苦労するのは、望遠鏡の向きによって脚立に登ったり、無理な姿勢をとらないと観測できないことです。 しかしクーデ式の接眼部は、望遠鏡の向きにかかわらずいつも固定されているため、 車椅子の方や、小さな子供から大人まで椅子に座って楽な姿勢で観測できます。

観測機器

博物館の望遠鏡は「かつしか星空散歩」などの事業で年間70日以上一般公開し、区民の皆さんにご利用いただいています。 また博物館天文ボランティアや天文スタッフによる観測活動、映像資料収集などのためにも利用されています。
このため、星の明るさや色を測定する光電測光装置、天体のスペクトルを観測する分光器、 冷却CCDシステム、天体ビデオカメラシステムなど、天体観測のための設備もあります。 また、この望遠鏡がとらえた天体のビデオ映像を、リアルタイムにプラネタリウムのドームに映し出すこともできるようになっています。 観測によって得られた資料は、プラネタリウム番組や天文事業、ホームページなどで活用されています。